【ネタバレ感想】「メグちゃん危機一髪」「へなちょこ立志篇」 著:重松清(しげまつ きよし)

2022/04/16

カテゴリー:小説

seal

概要

このページでは重松清さんの「メグちゃん危機一髪」「へなちょこ立志篇」のネタバレ感想をしています!

この2作品は同じく重松清さんの「みぞれ」の文庫本に収録されています!

同じみぞれに収録されている「拝啓ノストラダムス様」「正義感モバイル」・「砲丸ママ」「電光セッカチ」・「遅霜おりた朝」「石の女」のネタバレ記事もあるので良ければそちらもご覧ください!

目次

メグちゃん危機一髪

登場人物

・晴彦(はるひこ)…1課の課長で新井の同期。

・新井(あらい)…2課の課長で晴彦の同僚。

人事異動

車内アナウンスで今朝のメグちゃんは電車の右側から見れますと案内があり、車内がざわつきます。

晴彦(はるひこ)と同僚の新井(あらい)は右側の手すりにつかまっていて、新井は朝からラッキーだといいます。

新井は1課の課長、晴彦は2課の課長で、今日明日でどちらかが人事異動させられる予定で晴彦はアザラシどころではありません。

午前10時から部長会議が始まり、晴彦は仕事に手が付きません。新井は自信があるようでご飯を食べに行ったようです。

最終的に、1課と2課は合併し、新しい課長には「守り」の晴彦が指名されました。新井は地方の子会社へ転勤となり、その日以来有給で10日間も休んでいました。

一人じゃ死なねぇぞ

テレビはメグちゃんのニュースをしていて、川の橋にもたれかかる新井の姿を映します。

月曜になっても新井は来ず、無断欠勤となっていて、代わりに晴彦が転勤となる可能性もあるのだぞと橋爪部長は脅します。

晴彦はメグちゃんのいる運河へ向かいます。新井は今日もそこにいました。

新井は「もうすぐメグちゃん殺されるかもしれないぜ」と言います。ネットで殺害予告が出ていたんだそう。

加えて、辞表を出すことを晴彦に伝えます。「一人じゃ死なねぇぞ」と彼はつぶやきました。

殺害未遂

その時、橋から乗り出した男がボウガンでメグちゃんに矢を放ちます。矢はメグちゃんの背中をかすめて外れました。

翌日も自然保護団体のメンバーがメグちゃんに網を掛けようとしたり、その翌日はメグちゃんの近くに毒団子が仕込まれたりします。

いまだに新井は無断欠勤を続け、橋爪部長は新井の解雇通知書を作成し始めます。

部長は出向先に頭を下げ、晴彦に当たり散らし、このままだと晴彦を課長に採用した自分の判断ミスとなってしまうと本音をこぼします。

結末

新井の家に電話すると、奥さんが出て、新井に代わってくれました。

晴彦は大事な書類を渡したいといい、新井と晴彦は駅前の居酒屋で会います。晴彦は部長の最後通牒を伝え、新井は俺と変わってくれよと唇を震わせます。

新井は明日会社へ行って、転勤のことを受け入れるつもりだと言いました。

翌日、新井と晴彦はいっしょに会社へ向かいます。奥さんにも転勤のことを話したんだそう。

台風が来ていて、運河は濁流になっています。2人はメグちゃんのいる駅で降り、運河に向かって叫びます。

メグちゃんの頭のようなものが海に向かって泳ぐのが見えます。明日は台風一過でまぶしいくらい晴れそうです。

へなちょこ立志篇

登場人物

・勝利(かつとし)…家出を決意し、ホームレスの中年男に弟子入りする。あだ名はマケトシ。

・高橋さん…ホームレスの中年男。2人組の男から毎日5万円を渡されている。

ホームレスに弟子入り

勝利(かつとし)はマックの2階席で良夫(よしお)に家に帰らない決意を伝え、家出少年とか「マケトシ」のキャラじゃないとバカにします。

ケータイの電池が切れるまで家出すると決めましたが、10日以上電池は持ちそうなのでした。

マケトシはホームレス弟子入りすることに決め、段ボールに座った中年男に話しかけますが、返事はありません。黙ってマケトシはその隣に座りました。

マケトシがおなかをすかせた頃、2人組のサラリーマンが中年男の前に立ちます。

彼らは「高橋さん、ひどいリストラだったのはわかりますけど、部長がこのままだとこの駅を使えないと言っていて、、、」と白い封筒を中年男の前に置きます。

男は持って帰れと初めて声を出します。2人組は毎日駅前にきて、封筒を路上に置いて帰っていきます。マケトシは今日で15万円の現金をゲットしました。

託されたメモリーカード

高橋さんは封筒をマケトシに渡して、好きに使っていいと言います。

どうやら高橋さんがここで座っているのは自分をリストラした会社への復讐のようでした。ただそれだけで1日5万円も出すかと不思議に思います。

そんなことを考えていると稲本明日香(いなもとあすか)から着信があります。クラスのみんなが自分のせいで家出したんじゃないかと噂しているんだそう。

実際、稲本明日香に振られて、そのことを友達に言いふらされ、家出を決意したのでした。電話を切った後、数人の男が高橋さんとマケトシを取り囲みます。

マケトシが逃げようとすると、高橋さんが忘れものだと雑誌を渡します。その瞬間、高橋さんはダッシュで逃げ出します。男たちも追いかけていきました。

雑誌にはメモリーカードが1枚挟まれていました。その夜、高橋さんは帰ってきませんでした。

帰ってきた高橋さん

翌日からマクドナルドの2階から駅前を見張ります。メモリーカードの中身を確認すると、金の送り先の名簿一覧のようなものでした。

5日後の夜、家出も10日目を過ぎたころ、携帯の電池もバッテリーが1つになります。そろそろ家に帰ろうかと思い始めたころ、マクドナルドにあの2人組の男が近づきます。

マケトシは逃げられず、片方の男が携帯で誰かに連絡を取っています。2人組の男は大事なものだから返してくれないかなとマケトシに言います。

その時階段から高橋さんが姿を現します。マケトシは逃げ出し、「メモリーカードは俺が持ってるから逃げて!」といいますが、高橋さんは逃げません

高橋さんは2人組に全部うまくいったといいます。どうやら彼らはスパイで、理不尽なリストラを繰り返してきた副社長を辞めさせることに成功したそう。

マケトシが隣にいたからストレートに情報交換ができなかったと2人組は語ります。

結末

2人組はメモリーカードがブラフのものだと言います。高橋さんも「何も入ってなかっただろう?」とマケトシの腿をつねりながら言います。

2人組と別れて、高橋さんは晩飯をごちそうすると連れ出します。高橋さんはブラフのブラフで社内抗争なんて騙しあいなんだと笑います。

携帯の電池が切れて、高橋さんに家に帰りますと宣言します。高橋さんはにやりと笑って「元気でなカツトシ」と言ってくれました。

まとめ感想

「メグちゃん危機一髪」では人事異動を逃れた晴彦が、異動を命じられた新井を説得するというストーリーでした。

愛されたり憎まれたりしながらどぶ川に居続けるメグちゃんをみて、新井は自分を重ねて転職するかこのまま転勤を受け入れるか思い悩んだように見えました。

「へなちょこ立志篇」はマケトシというあだ名を払拭するため、家出を決意したカツトシは社内抗争に巻き込まれます。

騙し騙され合う大人たちをみて、マケトシは成長し、カツトシになれたのではないでしょうか。

以上となります!当サイトでは同じ「みぞれ」に収録されているお話もネタバレしてますので是非ご覧ください!SNSもフォローお願いします!!