【ネタバレ感想】家族ゲームpart3 著:本間洋平(ほんま ようへい) ネタバレ感想3

2022/01/16

カテゴリー:小説

family

概要

こちらは「家族ゲーム」のネタバレ感想part3になります。前回のpart2まだ読んでいない方は先にそちらを読むことをお勧めします!

「家族ゲーム」part2

弟は家庭教師、吉本のおかげで次第に成績を上げていきます。一方で兄の慎一は成績不振で、幼いころできなかった遊びを試しています。

母や父も今までの兄と弟の態度が逆転しているようです。これからどうなってしまうのでしょうか。

目次

家族ゲームpart3

登場人物

・沼田慎一(ぼく)…茂之の兄で、成績優秀な高校2年生。

・沼田茂之…成績が悪い中学3年生。慎一の弟で、家庭教師の吉本に教わる。

・父…小さな自動車工場を営む慎一と茂之の父。

・母…慎一と茂之の母親。

・吉本…茂之の新しい家庭教師。z大学で7年留年している

・土屋…茂之をいじめている同級生のいじめっ子。同じ団地に住む。

弟のいじめ

今日弟はいじめられて帰ってきました。ぼくは公園の砂場で転がされ蹴られているのを窓から見ていました。

中心の男はまた同じマンションの男で、近くを歩く主婦たちは止めようともせず歩きすぎてしまいます。弟は隙を見て逃げ出し、捕まる前に会談の入り口に入ります。

弟は部屋に入り、将棋の駒を振りポスターに投げ出します。さらに机の上の紙に英文字を書きなぐります。玄関から友達の声が聞こえますが、弟は無視しています。

友達が家を訪ねてくることは珍しく、公園でいじめていた奴らかもしれないと僕は思います。母親はその友達をなだめていて、弟はラジカセのボリュームを上げます。

母は部屋に入ってきて、土屋さんが弟にラケットのことで用事があるそうだと伝えます。土屋というのは同じクラスで同じ棟に住んでいるいじめの首謀者の名前でした。

本当にラケットを壊したのか母に聞かれ、弟は壊してないと母に怒ります。弟が怒れるのは唯一母親だけなのでした。それ以上弟は何もしゃべらず母親もあきらめて部屋を出ます。

神相撲の力士

母と入れ替わりに家庭教師が入ってきて、弟の頬を殴り、何しているんだと怒ります。壊してないと弟が弁明しますが、自分で対応しないことに怒っていると家庭教師は言います。

自分のことをできない弟に対して家庭教師は怒っているのでした。弟を何とか持ち上げ、引きずり出そうとしますが、弟は机の脚のしがみつきます。

玄関から母が弁償しますからという声が聞こえ、友達は帰っていきました。家庭教師は殴っていた手を止め、明日そいつを殴って来いと言います。

家庭教師は弟に喧嘩の仕方を教えます。弟は左腕と左足を同時に出し、逆も同じ風になるので、まるで神相撲の力士のようでした。

家庭教師は笑いながら腰とステップを使うよう指示し、繰り返し練習させました。俺がすべて責任を取ってやるとも言います。

母の変容

今月の目標は、3年生の総復習、自分のことは自分でする、他人を蹴落としてエリートになるの3つでした。それをみて僕は笑います。

部屋の外では父親が機嫌よさそうに電話をしています。どうやら弟と同じくらいの子供を持つ親戚に弟の成績が上がったことを自慢しているようでした。

電話が終わると、ぼくを呼び出します。父親は茂之は頭がいい、俺の子だからと大声で笑い、僕に対しては最近油断してるんじゃないかと叱責します。

実際僕の成績はかなり落ちていました。父の目つきは弟によく似ていました。母親は茂之の上がった成績を僕に見せ冷たい目つきを向けます。

その目つきは今までの母とは大きく違うものでした。僕はおどけてこれからは茂之が立派にやってくれるでしょうと演説口調で言います。

父がこれから飯を食わさないと脅したところで、ぼくは逃げ出しました。部屋では家庭教師は寝ていて、弟は弱く笑い、嫌な目つきを向けてきます。

せ、成績下がったのか?

寝たまま家庭教師が何かやりたいことでもあるのか?と僕に聞いてきました。勉強の他に何も知らないのだから何もないというと、家庭教師はうなずき勉強を終わりにしました。

彼は真顔で弟に明日は殴って来いよと言い、ぼくには笑って出ていき、弟も続いて部屋を出ます。1人残されたぼくは、家庭教師に対する不満と、母への憎々しさが体の中で暴れていました。

ぼくは勉強用のボックスに体当たりします。弟が戻ってきてテストの結果を広げ、「慎一せい、せいせき、さ、下がったのか?」とどもりながら言います。

ちょうど家庭教師に学歴のことを尋ねた時と同じ表情をしていました。ぼくは土屋の前に行けば怯えているくせにと決まり文句を言うと、弟は思い出したのか意味もなく部屋をうろうろします。

食事を呼ぶ母の声がしても2人は立ち上がろうとしませんでした。

あいつの復讐

冬になり、母は茂之がクラスで上位6人になったことを家庭教師に報告しています。弟は薄笑いの顔を上下に振っています。

ぼくは相変わらずで、今日はスコップで砂場を掘っていました。周りの幼児たちは周りの母親に教えられながら山を作ったりして、不思議そうな顔をぼくに向けています。

砂の中からはゴミがたくさん出てきます。深く掘ろうとしても周りの砂が落ちてきてなかなか深くなりません。

50㎝程掘ると、砂場の下のコンクリートが出てきました。それを見てすべてがインチキでできていると思い、落胆します。

そして顔を上げると、周りを数台のバイクが取り囲んでいることに気づきます。彼らの中には以前殴りつけたあいつの姿がありました。

ぼくは予想外の事態にパニック状態になります。次第にそのバイクの輪が小さくなり彼らの罵倒が次第に大きくなります。

近くにいた親たちの悲鳴を上げた瞬間、ぼくはあいつに砂を投げつけ、そこから逃げ出したのでした。

無抵抗な原因

弟は何人までa高校に合格したのかぼくに尋ね、5人までだったと答えました。最近母親は自分の意向を家庭教師に伝え、後は彼に任せるようになりました。

弟はc高校でいいと言い、家庭教師は理由を尋ねますが、弟は答えようとしません。2人は数日間同じ問答を繰り返していました。

ぼくが窓を覗くと、2人の幼児が砂に穴を掘っていて、次第に近づいていきます。2人はついに鉢合わせになり、1人が手を出すと次第に喧嘩になってしまいました。

母親を通してでしか物事をしない幼児たちは母親の仲介なしには友達にはなれないのだなとぼくは考えます。

家庭教師がぼくにどうしてb高校に行きたがらないのか尋ねます。ぼくがa高校に行きたいのじゃないかというと、家庭教師は簡単に違うと言い、いじめっ子がb高校を受験するんじゃないかと疑います。

さらに弟を無抵抗にさせる原因があるはずだと家庭教師は考えます。僕と家庭教師が黙っていると弟が部屋に入ってきて、話題が自分のことだと察するとにやにや笑います。

ぼくはその原因について不意に思い出しました。

6年前の記憶

弟が授業中にくそを漏らしたことをぼくはカミングアウトしました。弟はうなだれ薄笑いの目で家庭教師の反応をうかがっています。

彼は冷静に答え、それが原因のようだねと言いました。それでクラスが同じの土屋に弱いのだなと理解しました。

それくらいで情けないよと弟に言いますが、弟は歯切れが悪そうに当時のことを思い返します。

弟は朝からの下痢をこらえ、授業を受けています。チャイムが鳴ると目の前に教師がたち、「君だけできないのか」と弟を怒鳴ります。

みんなが弟に注目した時、液状の汚物が流れ出します。驚いて我慢が緩んでしまったのです。周りの物は弟を馬鹿にし、弟はあひるのように小股で歩き出します。

それをみてクラスの子らは爆笑したのです。6年たった今でもいじめっ子たちは覚えていて、それを示唆するようないじめで弟の中に当時の記憶を思い起こさせるのでした。

感想

母親と父親は露骨にぼくへの態度を変え、弟のことは家庭教師に任せきりになりました。

ぼくは昔出来なかったことをしてみて、自分のやりたいことを探しているようです。なかなかやりたいことを見つけるのは難しいよねと私は感じました。

さらに茂之のいじめられる原因も判明しました。このいじめを茂之は乗り越えることができるのでしょうか。

次回でいよいよ完結になります!ぜひpart4のほうもご覧ください!!下のリンクから飛べます。前のpart2も呼んでいない方いらっしゃいましたら是非ご覧ください。

他にも小説のネタバレ感想は更新予定なので、是非SNSフォローしてお待ちください!

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