坊っちゃん(ぼっちゃん) -著:夏目漱石(なつめ そうせき)- ネタバレ感想前編
2022/03/09
カテゴリー:小説
概要
このページでは、夏目漱石が書いた「坊っちゃん」という小説のネタバレをしています!!
「親譲りの無鉄砲で子供のころから無茶ばかりしている」という文章で始まる有名な作品ですね。
2016年に嵐の二宮さんがドラマの主演をしたことでも有名ですね。
課題図書や教科書にもよく登場しているこの作品ですが、ストーリーを覚えている方は少ないのではないでしょうか。
ぜひネタバレを読んでみて、面白いと感じられましたら青空文庫さんで無料で読めますので是非読んでみてください!!
今回、ネタバレ前編となっていますので、続きが気になる方は後編をご覧ください!!
目次
ストーリー
登場人物
・坊っちゃん…本作の主人公。あるきっかけで田舎の教師となる。
・清(きよ)…坊っちゃんの家の下女で、坊っちゃんのことを可愛がってくれる。
・校長…薄ひげの色黒な狸のような男。
・赤シャツ…女のような優しい声の教頭。
・古賀…うらなりの唐茄子に似た顔の英語教師。
・堀田…坊っちゃんと同じ数学教師で、山嵐というあだ名を付ける。
・いか銀…骨董品を売買する男。山嵐に紹介され坊っちゃんはそこへ下宿することになる。
・吉川…画学の教師で、「野だいこ」とあだ名をつけた。
・遠山のお嬢さん…町で一番の美人で、皆にマドンナと呼ばれている。
親譲りの無鉄砲
「親譲りの無鉄砲で子供のころから無茶ばかりしている。」
いたずらも良くしていて、おやじは少しもかわいがってくれません。母も兄ばかり気にかけているようです。
台所で宙返りをして角でろっ骨を折った時、顔を見たくないと母に言われ、親類のところに泊まっている間に母が死に、兄に親不孝だと言われます。
ある日、父が勘当すると言い出したとき、清(きよ)と言うお婆さんの下女がかばってくれます。清だけが非常にかわいがってくれたのでした。
母が死んで5、6年は父と兄と暮らしていましたが、6年目の春に父を亡くします。その年にちょうど中学を卒業し、兄も商業学校を卒業しました。
兄は九州に就職し家を売ると言い出しますが、俺はどうにでもするがいいと言います。清は自分の甥の厄介になることになりました。
兄から600円貰っていたので、これを資本にして勉強してやろうと考え、たまたま近くを通った物理学校へ通うことにしました。
狸・赤シャツ・うらなり・山嵐
卒業後、校長から呼び出され、田舎の学校教師の紹介をしてもらいます。俺はすぐに行くと返事をしました。
出発の3日前、清を尋ねて田舎へ行くというと目に涙をいっぱい貯めます。出発の日には見送りもしてくれました。
中学校へ着くと、放課後でだれもおらず、くたびれたので近くの山城屋という宿屋に泊まります。
涼しそうな部屋が空いているのにもかかわらず、熱い薄暗い部屋に案内され、我慢して寝ます。
次の日、学校へ行き、狸のような見た目の校長に挨拶します。その後、他の教員たちにも挨拶をします。
その中には、女のような優しい声の赤シャツを着た教頭や、古賀という名前のうらなりの唐茄子に似た顔の英語の教師がいました。自分と同じ数学教師の堀田に山嵐というあだ名をつけます。
山嵐
校長から授業のことは数学の主任の山嵐と相談してくれと言われ、打ち合わせをします。山城屋に泊まっていることをいうと、山嵐は宿屋に掛け合ってくれるそう。
明後日から授業を受け持つようで、今日は外を散歩しているといつのまにか山城屋に着きます。門に入るとおかみさんが出てきて頭を床につけます。
お座敷が空いたそうで、部屋に入ると15畳の立派な床の間がついている部屋でした。その部屋で昼飯を食べ、清へ手紙を書きます。
手紙には校長は狸、教頭は赤シャツ、英語の教師はうらなり、数学は山嵐、画学はのだいことあだ名をつけたと書きました。
手紙を書いて寝ていると、山嵐が入ってきて、いい下宿を紹介してやるからと連れていかれます。そこの主人は骨董品を売買するいか銀という男で、女房はウィッチに似ていました。
明日からそこへ引っ越すことにして、帰りに山嵐は氷水をごちそうしてくれました。
天ぷら先生
学校が始まり、教師は案外楽じゃないと気づきます。家へ帰ると、いか銀がお茶を入れてくれて骨董品を買わないかと勧められます。
それから毎日規則正しく働きますが、学校が嫌になります。ある日、大好物のそば屋さんを見つけ、そこへ入ると学校の生徒がいます。
軽く挨拶して、天ぷらそばを4杯食べ、次の日学校へ行くと黒板に天ぷら先生と書いてありました。顔を見て生徒がみな笑います。
さらに次の授業の教室ではまた黒板に書かれていて、今度は癪に障りました。注意しますが、次の授業でも書かれていて腹を立て帰ってしまいます。
生徒は授業が休みになって喜んだんだそう。その4日後、団子を食べるとまた黒板に団子2皿7銭と書かれます。
ここにきてから毎日住田の温泉へ行っていて、人が少なかったので泳いでいると湯船の中で泳ぐべからずと看板がつけられます。次の日学校へ行くと、黒板にも泳ぐべからずと書かれていました。
宿直
学校には宿直があり、その番が回ってきます。宿直部屋は暑く、温泉へ行きたくなって出かけてしまいます。
歩いていると向こうから校長の狸がやってきて、今日は宿直じゃないかと聞かれます。腹を立てわざと「ええ宿直」ですと答えて、歩き出しました。
山嵐にも会い、怒られたので面倒になり学校へ戻ります。日暮れ後、床にはいると布団の中からバッタが5、60匹飛び出します。
30分かけバッタを退治し、寄宿生を3人ほど呼び出します。彼らはしらばっくれて、罪を認めません。
嘘をついて罰から逃げようとする生徒に胸糞が悪くなり、寝床に帰しました。また床に入り横になると、今度は上の階で3、40人が床を踏み鳴らす音が聞こえます。
飛び起きて2階まで駆け上がると急に静まり返って、今のは夢かと自分を疑っていると、また床板を踏み鳴らし始めました。
ドアを開けようとしますが開かず、廊下の真ん中に胡坐をかいて出てくるのを待ちます。朝になり、いつのまにか寝ていて目を覚ますと目の前に生徒が2人立っていました。
捕まえて問い詰めますが、罪を認めようとしません。そこへ校長の狸がやってきて、話を聞いて処分は後で下しましょうと寄宿生を放免しました。
釣り
教頭の赤シャツから釣りに誘われ、画学の教師の「野だいこ」と一緒に釣りへ出かけます。「野だ」は赤シャツに教頭の腕なら釣れますよとお世辞を言います。
釣りをしてしばらくすると、糸にあたるものがあり、引き上げてみると小さな金魚のようなものが釣れます。
針を外そうとしますが、ぬめりで取れず、イライラして地面にたたきつけて殺してしまいました。2人は驚いています。
釣れるのはこの金魚ばかりで、仰向けになって空を眺めて過ごしていました。すると2人は小声で何か話し始めます。
どうやら自分のことについて内緒話をしているようです。なにやら堀田が生徒を煽って、自分をいじめたようなことを言っています。
さらに、「野だ」は今日もマドンナのところへ行くんですかと赤シャツに言っています。
帰っている途中、赤シャツが親切に下宿を紹介されても油断しないほうがいいよと山嵐に用心しろと伝えてきました。
一銭五厘
裏表のあるやつに氷水をおごってもらったことが気に食わなかったので、明日氷代一銭五厘返しておこうと決めます。
次の日早めに学校へきて、山嵐を待ちます。そこへ赤シャツが来て、昨日のことは内緒にしておいてほしいと言います。
授業が始まっても山嵐は来ず、机の上にお金を置いて授業へ出ます。休み時間に控所に帰ると山嵐は来ていて、君のせいで遅刻したんだと責めてきました。
罰金を出せと言われたので、机の上にあった一銭五厘を氷代だと置くと、冗談はよせと小銭を机の上から払い出します。
どうして今になって返してきたのかと聞かれますが、赤シャツに内緒にしておいてほしいと言われていたので動きが取れません。
山嵐によると、下宿先の亭主が乱暴でもてあますから出ていってほしいと山嵐に相談したんだそう。そんなことはしていないと否定しますが、聞く耳を持ちません。
山嵐も癇癪もちだったため、お互い大きな声で喧嘩します。授業が始まるラッパがなり、喧嘩を中止して授業へ向かいました。
会議
午後に、以前寄宿生が暴れていた件の処遇を決める会議が開かれます。山嵐は自分を見ると目をぐりぐりして睨みつけられます。
校長の狸が意見を求めると、赤シャツが責任は学校にあるから寛大な処分を求めますと言います。「野だ」も赤シャツに同調して徹頭徹尾賛成だと言います。
そのほかの教師も大抵が赤シャツに賛成だと意見し、もし赤シャツ側の意見が通ったら、荷物をまとめるつもりでいると、今まで黙っていた山嵐が突然立ち上がります。
どうせ赤シャツ側の意見だろうと見ていると、今回の事件は50名の寄宿生が新米の教師を侮辱して起こした事件にしか見えないと肩を持ってくれました。
俺の言いたいことを山嵐がすべて言ってくれて、ありがたいという顔で山嵐を見ますが知らん顔をしています。
結局、寄宿生は1週間外出禁止となり、謝罪をすることになりました。
マドンナ
その日の夜、宿屋の女房が何か不都合でもあったかと聞いてきますが、すぐに下宿先を引き払いました。
出ることには出ましたが、行く先がなくこの辺の事情に詳しい「うらなり君」に聞いてみることにしました。
家に行って話をすると、萩野という老人夫婦で暮らしている家を紹介してくれて、そこの家に下宿することになりました。
ある時、清のことを思い出し手紙の返事はまだかと思い、宿のお婆さんに手紙はこないかと聞きます。
お婆さんはその手紙を女の人だと思い込み、ここらにも油断できない女の人がいるから気を付けろと遠山のお嬢さんについて教えてくれました。
彼女はここらで一番の美人で、皆にマドンナと呼ばれているんだそう。
彼女は古賀先生と婚約していましたが、古賀先生の父が亡くなり貧乏になると、教頭の赤シャツが出てきてお嫁に欲しいと言い出しました。
古賀先生と仲が良かった山嵐は赤シャツに意見しに行き、それ以来堀田と赤シャツは仲が悪くなったんだそう。
まとめ感想
坊っちゃんはあるきっかけで田舎の教師となり、他の教師たちにあだ名を付けます。
黒板にいたずら書きされたり、宿直で嫌がらせを受けて早く東京へ帰りたいと考えるようになります。マドンナを巡ってうらなり君と赤シャツはトラブルを抱えているようです。
赤シャツと山嵐はどちらが良い人なのか、坊っちゃんにはわかりかねている様子です。
坊っちゃんが教師にあだ名をつけることで、登場人物へのイメージを想像しやすく、より感情移入させてくれました。坊っちゃんの性格もきっぱりしていてとても気持ちいいですね。
後編では、このマドンナ事件や他の事件が起こって、それに対して坊っちゃんが立ち向かっていきます。ぜひそちらもご覧ください!!
他にも小説ネタバレしてるので、そちらもご覧ください。SNSのフォローもお願いします。