【ネタバレ感想】「みぞれ」 著:重松清(しげまつ きよし)
2022/04/19
カテゴリー:小説
概要
このページでは重松清さんの「みぞれ」のネタバレ感想をしています!
「みぞれ」自体は30ページ弱ほどの短いお話です。
みぞれの短編集には他の話も収録されています!良ければそちらもご覧ください!
目次
望郷波止場
登場人物
・僕…父と母の暮らす実家へ帰ってきた。長男。
・父…13年前に脳梗塞で倒れ、寝たきり。
・母…父と2人で田舎の実家で暮らす。
僕の父
父は13年前に脳梗塞で倒れ、今74歳になります。
医者は酒やたばこをやめるよう命じましたが、父はやめることなく最初の発作から急激に衰え、歩けなくなり喋ることができなくなりました。
父はデイサービスも断り、田舎の実家で母と暮らしています。
バリアフリーの家
僕は母と2人暮らしなのが心配で、迷惑なのだと直接父に訴えかけます。
僕の妹の一家は実家から1時間ほど車で行ったところにあり、妹は父を引き取るつもりで家を新築しました。
長男の僕もバリアフリーやスロープの工事費用は出しました。両親は最初その家に住んでくれましたが、1か月もしないうちに実家へと帰ってしまったのでした。
離さない焼酎のグラス
妹の家族と仲が悪くなったわけでもなく、父は声を振り絞り、母に「か、、え、、る、、」と言ったんだそう。
古い家ということもあり、部屋の中と外の廊下の温度差もすごく老人には危ないので心配で、僕は思わずきつい言い方を母にしてしまいます。
父はいまだに焼酎のグラスを離しません。昔の父の記憶はただ怖かっただけの印象で、大学入学で上京して以来、仕送りを受けず自分だけで生きてきました。
結末
父は強い人だと思い込んでいましたが、実際は強いふりをした弱い人なのでした。そのことに夫でもあり父にもなった僕は気づきます。
母に妹の実家で暮らすよう説得しますが、言葉を濁します。
実家を引き上げる時間となり、母は昔のカセットレコーダーを出してきます。そこには僕が小学五年生のころみんなで吹き込んだレコーダーが入っていました。
父と母はそのレコーダーを何度も聞いているんだそう。そこにはまだ40代くらいの父の声が入っていました。
僕ももう1度そのレコーダーを聞きます。父は窓のほうを見て涙を浮かべていました。
まとめ感想
「僕」の父は病気で倒れ、老いた母と共に実家で暮らしています。そんな様子を見て僕は思わずきつい言い方をしてしまうのでした。
大人になってから、自分の父親ってこんなに小さかったっけと思う時ってありますよね。背が縮んだとかそういう面もありますが、精神的に老いた父親を見るとそう感じてしまうのかもしれません。
以上となります!当サイトでは同じ「みぞれ」に収録されているお話もネタバレしてますので是非ご覧ください!SNSもフォローお願いします!!