【ネタバレ感想】君の名は。(きみのなは。) 著:新海誠(しんかい まこと)
2022/09/24
カテゴリー:小説
概要
このページでは新海誠さんの「君の名は。」のネタバレ感想をしています!
2016年に映画化されたもののノベライズ版となっていて、当時大ヒットした作品です。
映画は見たよ!という方は多いのではないでしょうか。内容をもう忘れちゃった方も多いと思います。
小説ならではの第三者からの視点で描かれているので、映画を見た方でも楽しめると思います!
ぜひ小説ネタバレ見て面白いと思われましたら実際の書籍の方もご覧ください!
目次
ストーリー
登場人物
・立花瀧(たちばな たき)…東京の男子高校生。
・宮水三葉(みやみず みつは)…田舎に住む女子高生。
・四葉(よつは)…三葉の妹。
・テッシー…三葉の親友1。
・サヤちん…三葉の親友2。
・宮水(みやみず)としき…三葉の父。現町長。
・司(つかさ)…瀧の高校の友達1。
・高木(たかぎ)…瀧の高校の友達2。
入れ替わり
「瀧(たき)」は知らないベルの音で目が覚めます。知らない女の子が自分の名前を呼んでいる夢を見ていて、名前は「みつは」と言っていました。
目を覚まし、違和感を感じて体を見ると女の体になっていて瀧は叫びます。
テッシーとサヤちん
三葉(みつは)が居間に入り、ご飯を食べていると、妹の「四葉(よつは)」とお祖母ちゃんから昨日はやばかったと伝えられます。
不思議に思いながらも学校へ向かっていると道中で親友の「テッシー」と「サヤちん」と会います。彼らも昨日三葉がおかしかったことを彼女に伝えます。
この日は町長選の演説が行われていて、三葉の父、「宮水(みやみず)としき」が拡声器で大声を出しています。隣には土建屋のテッシーの父が満面の笑みで立っています。
演説の周りの人たちは今回もだいぶお金を撒いているみたいだから、当選間違いないだろうとささやき合っています。
三葉は憂鬱な気持ちで歩いていると、クラスメイトから町長と土建屋は子供たちまで癒着していると嫌味をぶつけられます。
その場を去ろうとした三葉に町長は「胸張って歩かんか」と大声を上げます。恥ずかしさに耐え兼ねながらその場を去ります。
サヤちんは昨日三葉がロッカーも机の場所も覚えてなかったと教えてくれました。自分のノートには大きく「お前は誰だ?」と書かれています。
その日の夜、四葉とお祖母ちゃんと今夜の儀式に使う組紐を編んでいました。
お祖母ちゃんは宮水神社の神職を捨て、政治に手を出した父の悪口を言っています。儀式が始まり三葉と四葉は巫女舞を踊り、米を口に含んで噛み、小さな升に出します。
老若男女の見物客の中には、テッシーやサヤちん、そしてクラスメイトも来ていて、年頃の三葉にとって恥ずかしいものでした。
高校を卒業したらどこか遠くへ行こうと三葉は決心します。
宴会の後、神社の石段から「来世は東京のイケメンにしてください」と叫びます。
奥寺さん
知らないベルの音で目を覚まし、鏡を見ると知らない男が映っています。
スマホに着信が入り、「ツカサ」という男から早く来いとメッセージが来ています。マンションのドアを開けると、目の前の光景に目を奪われます。そこは東京なのでした。
学校に着くと、「司(つかさ)」と「高木(たかぎ)」という2人の高校生が話しかけてきて、一緒に昼ご飯を食べます。放課後3人はおしゃれなカフェにきていました。
どうやら建築物に興味があるようでカフェ巡りをしているようです。初めてのカフェに深く満足していると、バイト遅刻だとスマホにメッセージが届きます。
高級そうなイタリアンがバイト先のようで、はじめてのバイトにあたふたしていると、チンピラ風の客がピザに楊枝が入っていたとクレームをつけてきます。
助けにきてくれたバイトの女性がその客に深く謝り、料金をタダにすると説明しています。奥寺(おくでら)と書かれた名札を見て、店が閉店した後、お礼を言いに行きます。
別のバイトの女の子が、奥寺さんのスカートが太ももの上あたりで横に裂かれていることに気づき、皆心配して駆けつけてきます。
さっきの客にやられたようで、少し泣きそうになっている奥寺さんを連れ出し、原っぱで遊ぶハリネズミのステッチを縫ってあげます。奥寺さんは喜んでくれたようです。
家に帰ってスマホを見ていると、奥寺さんの後姿とピースしている写真があります。
もしかしたら奥寺さんのことが好きなのかもしれないと思い、日記で今日起きた出来事を書いてあげます。
ふとノートに「お前は誰だ?」と書かれていたことを思い出し、手のひらに「みつは」と書いて寝落ちします。
美術の時間
瀧は目を覚まし、手のひらの「みつは」という文字を不思議に思います。
スマホを見ると記憶にない日記があり、バイト帰りに奥寺さんと一緒に帰ったと書かれてあります。
バイトに出かけると、奥寺さんと抜け駆けしたことをバイト先の先輩に詰められます。
みつはが朝目を覚ますと、手のひらからひじまでに大きく「みつは?お前は何だ??」と書かれています。
四葉が扉を開けて「今日は自分の胸を触ってないんやな」と言い残し出ていきます。学校へ出かけると、クラスメイトがみんな一斉にこっちを見てきます。
サヤちんに話を聞くと、昨日の美術の時間に三葉の悪口を言っていたのを聞いて花瓶の乗った机を蹴飛ばしたんだそう。
2人は夢の中で入れ替わっていることに気づきます。
自分の一番大切なもの
入れ替わりは時々週に2回ほど訪れ、日記やメモを残してコミュニケーションをとるようになります。
不思議なことにメールや電話は通じませんでした。2人はお互いに禁止事項を決め、生活を送るようになります。
瀧は三葉の体で目覚め、やっとテッシーと進めているカフェ作りの続きができると嬉しく思います。
今日は山の上のご神体に捧げものを持っていく日で、四葉とお祖母ちゃんと1時間ほど山道を登っていました。
山の頂上はカルデラのようにえぐれていて、その真ん中に1本の大きな樹が生えています。
巨木の下に小さな社(やしろ)があって、そこに口噛み酒を奉納するんだそう。
帰り道、「そろそろ彗星がみえるかな?」と四葉が尋ねてきます。
なにか忘れているような気がして思い出そうとしていると、おばあちゃんがこっちを見て「いま夢を見ているな?」と言ってきます。
奥寺さんとのデート
目を覚ました瀧は頬から水が流れていることに気づきます。スマホが鳴り、奥寺さんからもうすぐ着くと連絡があります。
日記を見ると今日は奥寺さんとデートだと書かれてあります。急いで支度をして瀧はデートへ向かいます。
会話がうまくできず、美術館に着いた時、奥寺さんに今日は滝君が別人みたいだと言われてしまいます。
美術館には飛騨の絵が飾ってあって、三葉と入れ替わっているときに見た光景にそっくりでした。
帰り道、晩御飯を誘った瀧ですが、奥寺さんに今日は帰ろうと優しく言われます。彼女は「以前まで私のことが好きで、今は他の子が好きなんでしょ」と瀧に言います。
瀧は一瞬、三葉が頭をよぎりますがすぐに消えてしまいます。帰って日記を見ると、「デートが終わるころには空には彗星が見えるね」と書かれてあります。
彗星が来ているというニュースは流れておらず、瀧は何か思い出しそうになります。その日以来、入れ替わりは起きなくなります。
小旅行
瀧は3日分の下着とスケッチブックを持って名古屋への新幹線乗り場へ向かいます。三葉に何かあったのか心配で実際に会いに行くことを決意したのでした。
改札には奥寺さんと司が並んで立っています。司と奥寺さんは心配でついてきたんだそう。司にはSNSで知り合った人に飛騨まで会いに行くと伝えていました。
瀧が自分で書いたスケッチを地元の人に見せ回りますが、皆知らないようです。
疲れて入ったラーメン屋さんで食事をとりながら東京へ帰る電車を調べていると、ラーメン屋のおばちゃんがスケッチを覗き込み、昔のイトモリだと教えてくれます。
糸守町という地名を突然思い出し、ラーメン屋の夫妻にこの近くですよね?と尋ねると不思議そうな顔をされます。
それを聞いた司と奥寺さんも不審げな顔をしています。
窓ガラスの割れた校舎
糸守町はバリケードに囲まれ、進入禁止になっています。目の前の窓ガラスの割れた校舎は間違いなく三葉の通っていた高校でした。
司は本当に3年前災害が起きたこの場所がそのメル友のいる場所なのかと尋ねてきます。
瀧は間違いないとスマホの日記を取り出しますが、三葉が書いた日記が次第に文字化けしていき、全て消えてしまいます。
3年前、地球に近づいてきたティアマト彗星が砕け、中に隠されていた岩の塊が糸守町に落ちたのでした。
ちょうど秋祭りが開かれていて、衝突地点は宮水神社付近で、町の人口の3分の1が死んだのでした。
当時中学3年生だった瀧もその事件のことは知っていました。
近くの市立図書館で彗星による死者名簿を見ると、テッシー・サヤちん、そしてお祖母ちゃん・三葉・四葉の名前があります。
口噛み酒
3人は近くの旅館に泊まることにしました。
瀧はすべて自分の妄想だったのかもしれないと思い始めていました。三葉の名前も忘れてしまいます。
奥寺さんに手首につけていた組紐について聞かれます。瀧はだいぶ前に人からもらってずっとつけていたと答えます。
瀧は不意に山の上に納めた口噛み酒のことを思い出します。その場所は隕石の衝突範囲外となっていて、まだ存在していそうです。
明け方目を覚まし、まだ寝ている奥寺さんと司を残して瀧は出かけます。
ラーメン屋のおやじは車を出してくれて、窓からは廃墟となった糸守町の景色が見えます。
あんたの描いた糸守はいい絵だったと、おやじは言い残し去っていきます。
土砂降りの雨の中、山頂に着くとカルデラ型の盆地と一本の大樹が見えます。木の根元には階段があって中には小さな祭壇と酒を入れた小瓶が2つ置いてあります。
三葉が持ってきた口噛み酒を瀧は一気に飲み干します。
何も起きずあきらめて立ち上がると、足がもつれて転げます。視界がゆっくりと回転し天井に描かれた彗星の絵を目にします。
彗星はこちらに向かってきて、瀧にぶつかるのと岩に頭をぶつけたのは同時でした。
3人の計画
瀧は三葉の記憶の中にいました。四葉が生まれたタイミングで母が病に倒れ、父と祖母の喧嘩が多くなっていきます。
祖母は父を追い出し、祖母と娘2人の生活が始まります。そして入れ替わりの日々が始まり、奥寺さんと瀧とのデートの日、三葉は東京へ出かけることを決意します。
その夜、三葉は祖母にお願いして長い髪をバッサリ切ります。瀧は短髪となった三葉を知りません。
テッシーたちに彗星を見に行こうと誘われます。まどろみの中で瀧は三葉を呼び止めますが、声は聞こえるはずもありません。
目を覚ますと三葉の体になっています。生きていることにうれしく、大粒の涙を流して自分の体を抱きしめます。
ニュースを見ると、今夜彗星がやってくるようです。
祖母ちゃんが三葉の顔を見て、「あんた三葉じゃないんか?」と見抜きます。お祖母ちゃんや三葉の母も小さい頃、知らない男と入れ替わったことがあるんだそう。
1200年に1度訪れる厄災を逃れるために宮水の血筋に入れ替わりが刻み込まれているようです。
髪を切った三葉に驚いているテッシーとサヤちんを呼び、今夜隕石が落ちるという話をします。オカルト好きなテッシーはその話を信じてくれたようです。
サヤちんもしぶしぶ話に乗ってくれました。テッシーは町の防災無線を乗っ取るという提案をします。
瀧はこれが終わったら実際にテッシーやサヤちんたちと会ってみたいと決意します。
テッシーの父は土木関係の仕事をしているので、爆弾を持ち出し、電波塔を破壊して学校の放送室から電波ジャックすることに決まりました。
自分たちだけで全世帯を動かすのは厳しいため、宮水町長である父に話をしに行きますが、理解されず「お前は病気だ」と言われ、怒りで町長につかみかかります。
町長は「お前は誰だ?」と震えた声で尋ねます。絶望して今三葉がどこにいるのか考えます。
テッシーとサヤちんに予定通り計画を進めるよう話をして、テッシーの自転車を奪い山頂へ向かいます。
三葉の上京
三葉は頬に落ちる水滴で目を覚まします。よく見ると瀧の体と入れ替わっていました。
外に出るとそこはご神体の山の上で、記憶をたどると夏祭りで彗星が近づいているのを見たところまでしか覚えていません。
山頂に登りきるとおかしいと体の動悸が止まらなくなります。目の前には糸守町がなくあの時隕石が自分の頭の上に落ちてきたことに気づきます。
瀧(三葉)は自転車をこぎながら、あの時の三葉の記憶を思い出します。
三葉は東京行の電車に乗り、急に会いに行ったら迷惑かなと心配しています。目の前に電車が滑り込んできて、その中には瀧がいます。
満員電車の中、やっと瀧の目の前に着き、思い切って笑顔で瀧の名前を呼びます。
中学生3年生の瀧は「誰お前」と口にし、三葉は恥ずかしさに顔を赤らめます。2人は気まずい時間を過ごし、駅に着いた時、四葉はドアに向かって歩き出します。
瀧は何かの義務感に駆られ、去っていく女の子の名前を聞くと、その子は「みつは」と叫びながら髪につけていた組紐を瀧に向かって投げ、瀧はそれを受け取ります。
再会
瀧は3年前三葉が逢いにきて、確実に傷ついて髪を切ったのだと気づきます。瀧は山頂にたどりつき三葉の名前を呼びます。
三葉は瀧の声を聞きつけ、2人は山頂の縁を走り、すれ違ったことに気づき、2人は振り返ります。
誰もおらず立ち尽くしていると、夕日が沈みかけ「カタワレ時だ」とつぶやく2人の声が重なります。横を見ると三葉が立っています。
間抜けな表情に愛おしく、瀧はゆっくりと笑顔になり三葉の名前を呼びます。三葉は瀧の腕をつかんで大粒の涙を流します。
瀧は持っていた組紐を三葉に渡し、計画を話します。
カタワレ時が終わりそうになり、瀧は忘れないように三葉の手のひらに名前を書こうと提案します。
瀧が書いて、ペンを三葉に持たせたときペンが地面に落ち、三葉は消えてしまいます。
何度も三葉の名前を呼んでいるうちに、不意に名前の輪郭がぼやけ、名前を忘れてしまいます。
悲しさや愛おしさも消え、ここにいる理由も分からなくなります。残ったのは寂しさだけでした。
すきだ
山道を三葉は駆け降り、原付にのるテッシーと変電所に向かいます。
爆弾はちゃんと作動し、サイレンが鳴りだします。どうやらサヤちんはうまく無線を乗っ取ったようです。
糸守変電所で爆発事故が起き、山火事の危険があるため糸守高校まで非難するようサヤちんは放送を繰り返します。
祭り会場に着いた三葉たちは人々に山火事だから避難するよう呼びかけます。
動こうとしない人たちもいて、町長を説得するしかないとテッシーは三葉に言いますが、三葉は「あの人の名前が思い出せない」とテッシーに言います。
テッシーは「お前が始めたことや」とげきを飛ばし、三葉は気持ちを切り替え町長を説得しに向かいます。
放送無線にドアの開く音が混じり、サヤちんが怒られている声が混じります。どうやら先生たちに見つかってしまったようです。
三葉は彗星を見上げると2股に分かれ、片方がこちらに近づいてきています。
走る三葉はくぼみにつまづき、転んでしまいます。三葉は手に名前が書かれていることを思い出し、ゆっくりと右手を開くとそこには「すきだ」と書かれていました。
「これじゃあ名前がわからないよ」と涙を溢れさせて笑い、必ず生き抜くことを決意します。
結末
高木と司は内定を獲得していて、瀧は焦っていました。メールが来て、大手アパレルに勤める奥寺さんと会うことになります。
瀧は奥寺さんと司で短い旅行をしたことは覚えていましたが、なぜか自分だけが別行動して山の上で夜を明かしていたのでした。
その街には数年前、彗星のかけらが直撃していましたが、偶然町中の避難訓練があり、住民の大半が無事だったという事件になぜか興味があったのでした。
どうやら町長の独断で避難が強行されたようです。
瀧はそんなことより来年の就職のことで頭が一杯でした。奥寺さんの薬指には指輪が光っています。どうやら結婚するようです。
季節が過ぎ、就職の予定決めをしている瀧の後ろでカップルが結婚式の相談をしています。どこか地方のなまりがあり、なぜか親近感を感じさせます。
女は「テッシー」と男の名前を呼び、瀧はなぜか鼓動が速くなっていきます。
店を出て近くの市立図書館に行き、消えた糸守町の写真が載っている図鑑を開きます。なぜかその光景にも見覚えがあり、心が苦しくなるのでした。
時間がたって大学を卒業し、なんとか見つけた就職先で瀧は働いていました。電車に寄りかかり外を見ていると、突然出会います。
彼女もこっちを見て驚いた顔をしています。停車した電車から駆け出し、街を走り回っていると階段の上に彼女がいます。
2人はゆっくりと近づき、すれ違った所でゆっくりと振り返ります。
彼女の髪が夕日色のひもで結ばれているのを見て瀧は震えます。彼女は涙を流し、瀧は笑みを浮かべます。2人は同時に「君の名は。」と声を揃えます。
まとめ感想
瀧と三葉は時々入れ替わるようになり、日記やメモでコミュニケーションを取りますが、ある日入れ替わりが起きなくなります。
瀧は三葉に会いに来ますが、3年前の事故で糸守は壊滅していて、三葉はもうすでにこの世にいないことを知ります。瀧は糸守の山頂まで行き、口噛み酒を飲んで三葉と入れ替わり、最終的に多くの糸守の人たちを救えたようです。
三葉の手のひらに「すきだ」と書かれていた所は少しうるっと来ました。瀧なりの気持ちの伝え方で淡い青春心をくすぐられます。エンディングで瀧と三葉が出会うところもおしゃれですよね。とても心揺さぶられる良い作品でした!
以上となります!ネタバレ読んで面白いなと思われましたらぜひ書籍のほうも読んで見てください!!250ページほどありましたが、すんなり読めると思います!
他にも同じ新海誠さんの天気の子や映画化もされた坂元裕二・黒住光さんの花束みたいな恋をしたなどネタバレしていますので、是非ご覧ください‼SNSのフォローもお願いします。