【ネタバレ感想】家族ゲームpart1 著:本間洋平(ほんま ようへい) ネタバレ感想1

2022/01/15

カテゴリー:小説

family

概要

こちらのページでは「家族ゲーム」という小説をネタバレしています!このページはpart1で全部でpart4まであります!

この作品はドラマ化・映画化した作品で、ドラマでは嵐の櫻井君が主演で話題になりました。

すばる文学賞も受賞していて、小説においてもかなり有名な作品です。

ネタバレ読んで面白そうだなと思いましたら、ぜひ書店で書籍もご覧ください。

目次

家族ゲームpart1

登場人物

・沼田慎一(ぼく)…茂之の兄で、成績優秀な高校2年生。

・沼田茂之…成績が悪い中学3年生。慎一の弟で、家庭教師の吉本に教わる。

・父…小さな自動車工場を営む慎一と茂之の父。

・母…慎一と茂之の母親。

・吉本…茂之の新しい家庭教師。z大学で7年留年している。

茂之のいじめ

茂之はボール紙の前で将棋の駒を振っていました。表になったコマを記録し、それを何回も繰り返しています。

彼の手の甲には擦り傷があり、それは数人のクラスの友達につけられたものでした。

茂之の兄の慎一はその現場を窓から見ていました。いじめていたのは同じ団地に住む弟のクラスメートでした。

ふすまの向こうで、彼らの両親が弟の茂之について話しています。両親はいつも弟や慎一の成績のことか、父の小さな自動車工場か両親の老後のことを話していました。

弟は他のことを忘れようと、ひたすらコマを振っています。父は兄は出来がいいのに弟はダメだと口癖のように言っていました。

母が新しい家庭教師がやってくると弟に伝えます。弟は窓に向かって唾を吐き始めます。いじめられたことのストレスを今発散しているようでした。

新しい家庭教師

そこへ父と家庭教師が部屋に入ってきます。彼は吉本と言い、細身の体格でした。弟は薄笑いしていてうつむいています。

これで家庭教師は6人目で、英語を教えてほしいと両親が言うと、家庭教師の吉本は弟を鋭い目で見つめます。

父は軽く説明すると、弟をにらみ出ていきます。吉本は本当に成績を上げたいかと茂之に尋ねます。茂之がうなずくと、母があまりしゃべらなくて困ると口をはさみました。

茂之は過度な放任と愛情の中で育ってきて、母親は自分が一番の理解者だと思っていました。弟を理解しようというより、常にかばっているだけだと慎一は分析します。

吉本はもう一度成績を上げたいかや、学校は面白いかと聞きますが、茂之は普通ですとしか答えません。家庭教師は歯を出して笑います。

母親はあきれて、2人と家庭教師をご飯に誘います。

ポンプ

家庭教師が躊躇なくご飯を食べているところに、父親が60点で5万、それから10点ごとに2万出そうと言います。家庭教師は戸惑いながら笑います。

さらに父親は吉本がz大学で7年留年している理由を尋ねますが、吉本は特に理由はないと答えます。さらに吉本のアフロヘアーがおかしいというと弟が急に笑い出します。

父親は薄笑いを続ける弟を叱ります。弟はさっさと部屋に戻ってしまいました。

ぼく(慎一)は、小さい頃から外で遊ぶより、家で窓から駐車場を眺めることばかりしていました。いつも良い子でいる必要があったのです。

団地は日々、人々を吐き出したり吸収したりするポンプで、みんな1日を消化するために生きているとぼくは思いました。

家庭教師はもう来ていて、弟にもう一度本当に成績を上げたいか?と尋ねていました。弟は戸惑いながら、薄笑いをし視線をちらちら家庭教師に向けています。

ぼくは弟に喋らすことは至難の業だと思いました。弟はどもりながら「そりゃ、せい、成績は上がったほうがい、いいですよ」と答えます。

家庭教師はさらにどうして上がったほうがいいか尋ねます。弟が来年進学だからとまたどもりながら答えると、家庭教師はそれならいうことを聞くようにと肝に命じさせました。

ぼくはそんな二人の様子をゲームのように楽しんでいました。

弟の逃走

家庭教師が単語をノートに書くよう言い、弟の本棚から1冊取り読み始めます。しばらくして弟のノートを家庭教師が見ますがどの単語も1、2文字しか書かれていません。

もう一度書くよう言い、弟は単語を書き始めますが、急に奇声を発して部屋から飛び出していきました。

弟は台所に行き、冷蔵庫と流し台の隙間にうずくまります。こうやっていままでの5人の家庭教師をやりすごしていたのでした。

しかし今回の家庭教師は弟を追いかけ襟首をつかんで引きずり出そうとします。引きずり出すのが難しいと分かると、弟に平手をうち、持ち上げようとします。

弟は目の前の母親に救いを求めますが、母親はあまりの出来事に固まってしまっています。家庭教師は弟を部屋まで連れていき、放り出します。

弟はまだ薄笑いを止めようとしません。どうして逃げたか家庭教師は聞きますが弟は答えず、家庭教師はさらに平手打ちをします。

台所にいる母はこの声を聞いているのだろうとぼくは思いました。

弟はもう勉強できなくてもいいとどもりながら言いますが、家庭教師は許してくれませんでした。

約束

ぼくは決まった時間に学校へ行き、また同じ時間に寝ることに飽きていました。学校では嫌われないように雑誌でギャグやジョークを勉強していました。

ぼくは小さい頃から外で遊ぶことが少なく、それが高校生になったぼくに大きな空白を残しているように思えたのでした。

母親はぼくに必要以上のことは言わず、いう必要もありませんでした。昨日に家庭教師がきたとき弟はおらず、ぼくは本屋で弟を見かけたと家庭教師に教えてあげました。

家庭教師は出ていき、30分くらいで弟は襟首をつかまれ帰ってきました。母親は経緯がつかめずぽかんとしていて、ぼくだけが予想通りの結果に笑っていました。

弟は今日はちゃんといて、望遠鏡で家庭教師が来るのを覗いていました。「今日はいたな」と家庭教師は笑います。昨日言ったところはやったか確認すると弟は黙ったままです。

やっていないことがばれると、弟は以前約束していた通り5発頬を殴られることになりました。家庭教師は目をつむり手を後ろにするように弟に言い、殴ろうとしますが弟は気配を感じてよけてしまいます。

弟は殴られると痛いからよけていると薄笑いで答えます。家庭教師は弟の上に乗り殴ろうとします。ぼくは2人がじゃれているようにしか見えません。

その時部屋に母親が入ってきます。2人は一瞬動きを止めますが、すぐにじゃれあいを再開します。家庭教師が約束を守るように言い、2人は離れます。

母親は家庭教師に理由を尋ね、少し厳しすぎるのではないかといいますが、家庭教師はこのくらい必要なのだと答えました。その時また弟が部屋を飛び出します。

家庭教師はそれを追いかけ、部屋にはぼくと母親だけになりました。これまでの家庭教師は1人だけ殴ろうとしましたが、それを母親に見られてから腫れ物に触るような態度になってしまいました。

今回の家庭教師はぼくや両親を無視しているようでした。

どうしようもないバカ

母親はどうしようかとぼくに相談しますが、それどころじゃないと僕は大きい声で立ち去りました。

2人は裸足で外に出ていて、足を拭きながら部屋に入ってきます。2人は笑っています。

母親は厳しくするから逃げるのだと非難しますが、家庭教師はそんなことないと軽く言い、逃げるならもっと足が速くないとと弟に助言します。

母は何も言えず部屋を出ていってしまいました。家庭教師が続きをしろと声を出し、弟はノートに単語を移し始めます。家庭教師は横で寝てしまいました。

ぼくがリビングへ行くと、母が父に家庭教師が殴ったりしているようだと相談していました。父親は殴らなきゃだめだと気にしていない様子です。

父親はぼくにちゃんと勉強しろよと言い、弟の元へ行き家庭教師にどうしようもないバカだろうと言います。しかし家庭教師はそんなこと本人の前で言うなと答えます。

父は笑みを浮かべ、風呂に入ってしまいました。母はしばらくたったままいました。

盗み

夏になって、ぼくは学校からの帰り道に本屋さんへ向かいます。1冊をばれないようにビニール袋にしまいます。これは初めてすることでしたが、やり方はなんとなくわかっていました。

ぼくは数冊の本を持ち深呼吸しながら店を出ます。しばらく歩き、大きなゴミ箱の中にその盗んだ本を捨てます。急に理由もなく盗みをしたくなったのです。

帰ってくると弟はひたすら何かを書いています。弟に話しかけますが、自分の喋りに嫌気がさして大声で宿題でもしろと怒鳴ります。

弟は何か言いたそうでしたが、すぐに手元に目を落とします。そこへ上半身裸の父がきて一緒にふろに入ろうとぼくを誘います。父の存在はぼくに嫌悪を引き起こします。

弟にも勉強はどうだと話しかけますが、弟は何も答えずそれに父は怒ります。家庭教師が最近寝ているようだと聞いたと僕に聞くと、弟がそうだと答えます。

父は金を払って寝られちゃうまくねえと言いながら部屋を出ていきました。弟はひたすら教科書のページのアルファベットの数を数えています。後ろからきた家庭教師には気づいていないようです。

感想

以上でpart1は終了となります。勉強のできない弟、茂之は新しい家庭教師を付けられ、今回も逃げ続けようとします。

しかし今回の家庭教師は、平気で暴力を加えてきて母親と茂之は戸惑っています。父親はそれくらい大したことないと思っているようですね。

このお話はぼく、慎一目線で話が進んでいきます。慎一は成績優秀なようですが、単調な毎日に飽き盗みをしてしまいました。

ダメダメな弟と、少し闇を抱えているような兄のこれからが気になるような展開でした。続きのpart2は下から飛べます!!

他にも小説のネタバレ感想は更新予定なので、是非SNSフォローしてお待ちください!

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