【ネタバレ感想】風の歌を聴け(かぜのうたをきけ) 著:村上春樹(むらかみ はるき)
2022/04/09
カテゴリー:小説
概要
「風の歌を聴け」は村上春樹さんの第一作目の長編小説で、映画化もされた作品です。
このページではそんな「風の歌を聴け」のネタバレ感想をしています!
主人公の僕は大学の休みに地元へ帰ってきて、友人の「鼠」や小指がない女と出会います。
目次
ストーリー
登場人物
・鼠(ねずみ)…大学生で金持ち。あるきっかけで僕と知り合う。
・僕…東京の大学へ通う大学生。地元へ帰ってきた。
・女…20歳より若いくらいで、左手の指が4本しかない。
僕と鼠
鼠は僕に向かって金持ちなんてくそくらえだと言います。
2人は夏中、「ジェイズ・バー」でビールを飲んで過ごしていました。鼠はいつも金持ちの悪口を言っていましたが、自分も相当な金持ちでした。
鼠によると金持ちは大事なことは考えておらず、考えているふりをしているだけなんだそう。
僕と鼠が初めて会ったのは3年前の春で2人とも大学に入ったばかりのころでした。
2人とも酔っぱらっていて、鼠の高級車でドライブをしていました。知り合った理由は全く覚えていません。
速度は80㎞をさしていて、公園の垣根に突っ込み石柱にぶつかってしまいます。2人とも奇跡的にけがはしていません。
その後、2人は市役所に公園の修繕費を払いに行きました。
指が4本の女
喉の渇きで目を覚まし、時計を見ると朝の6時前でした。
水を飲んで裸のままベッドの背にもたれ、隣で寝ている女を見ます。
僕はその女の名前を思い出そうとしますが、どうしても思い出せません。20歳より若い様子で、彼女の左手の指は4本しかありませんでした。
3時間ほどして、彼女は目覚め、あなたは誰?と僕に聞きます。僕は事の経緯を話します。
昨日の午後、僕はずっとプールで泳いで、車に乗って散歩に出かけます。ふと誰かに会いたくなって、「ジェイズ・バー」へ行きましたが鼠はいません。
1時間くらい1人で飲んで顔を洗って帰ろうとしたら、洗面所に彼女が倒れていました。
バーの誰も彼女を知らず、頭の傷の手当てをして、家まで送ってあげたんだと説明しました。
カリフォルニア・ガールズ
彼女はなぜうちに泊まったのかと疑いますが、知り合いにアルコール中毒で死んだ人がいるから泊まったんだと僕は弁解します。
本当は4時前に帰るつもりだったけど、寝てしまったんだと僕は言いました。
彼女は仕事へ行かなきゃいけないといい、僕は車で送っていくというと、彼女は泣きそうな顔をして「意識を無くした女の子と寝るやつは最低だ」といいます。
2人は無言で車へ向かい、彼女を送っていきました。
僕が家でビールを飲んでいると、電話が鳴ります。相手はラジオ放送局からで今放送中なんだそう。
アナウンサーによると、ぼくにリクエスト曲をプレゼントした女の子がいて、誰か当ててくれたら特製のTシャツをプレゼントしてくれるんだそう。
僕はリクエスト曲のビーチ・ボーイズの「カリフォルニア・ガールズ」のレコードを借りた女の子を思い出します。
そのレコードは借りたまま失くしてしまったんだとアナウンサーに言います。
彼女との再開
送られてきたTシャツを着て、翌日の朝散歩をしてからレコードショップに入ります。
店には店員の女の子がいて、その子は1週間前に洗面所に寝っ転がっていた小指のない女の子でした。
彼女は驚き何でここで働いているってわかったのか尋ねます。僕は偶然だよと答えました。
僕は「カリフォルニア・ガールズ」のレコードや他の数枚のレコードを買います。仕事終わりに食事に誘いますが、彼女はもう構わないでと拒否しました。
ジェイズバーへ入ると、鼠がとても長い小説を読んでいました。
鼠にレコードを誕生日プレゼントで渡します。本当は来月が誕生日でしたが、もう来週には帰るんだと鼠に言いました。
3日間、僕にレコードを貸してくれた女の子の行方を探していました。しかし結局見つからず、いま病気で療養していると聞きました。
ジェイズバーにて
家の電話が鳴り、相手は小指のない女の子でした。彼女は謝りたいと言い、今夜ジェイズバーで会うことになりました。
少し遅れてジェイズバーへ行くと、彼女が待っていました。少し話して両親の話になります。
彼女の父親は脳腫瘍で死んでしまい、それで家のお金を使い果たしてしまったんだそう。お母さんはどこかで生きていて、双子の妹も遠くに住んでいるといいます。
8つの時までよく双子の妹と間違えられていましたが、電気掃除機のモーターに小指をはさんではじけ飛んでから間違えられなくなったんだそう。
次の日、また電話がかかってきて、ビーフシチューを作りすぎたから食べに来てほしいといいます。
2人は食事をしながら僕の大学や東京での生活を話します。彼女は明日から1週間旅行へ行くと言います。
鼠とプール
次の日の夜、鼠はある女とあってほしいと僕に頼みます。
翌日の昼、ネクタイを締めて、鼠のところへ向かうと、本を読みながら1人で待っていました。
鼠は彼女を連れてくるのを辞めたと言います。2人は動物園へ行くことにしました。
翌日、僕は鼠とプールへきていました。鼠は時々、自分が金持ちだということに我慢できなくなって、逃げ出したくなるんだそう。
鼠は大学を辞めたと言います。小説を書いて生きていくつもりだと鼠は語ります。
結末
家の電話が鳴り、旅行から帰ったと彼女は言います。彼女は会いたいと言い、5時を少し過ぎるころ僕は迎えに行きました。
実は旅行になんて行かなかったと語ります。レストランで食事を済ませて、倉庫街をゆっくりと歩きます。
僕は来週には東京へ帰ると彼女に伝えます。彼女のアパートまで歩き、ベッドで彼女を抱きます。
彼女は手術で子供を下ろしたばかりだから今日はできないと言います。お父さんが亡くなってから何もかもがうまくいかないと語ります。
東京へ帰る日の夕方にジェイズバーへ行き、ジェイにお別れの挨拶をします。僕は夜行バスの切符を買い、東京へ帰りました。
年月が経ち、僕は29歳になり、ジェイズバーへ行くと、こぎれいな店へ改装されていました。僕はもう結婚し東京で暮らしていて、鼠は小説を書き続けているようです。
小指のない彼女はレコード屋さんを辞めて、アパートも引っ越していたので、二度と会うことはできませんでした。
まとめ感想
僕は小指のない彼女と知り合い、仲を深めていきますが、東京へ帰ってからもう2度と会うことはできませんでした。
鼠は小説を書いてずっと地元でいるようです。逃げ出したくなると悩んでいましたが、最終的に逃げ出さずにいるようです。
少し難しめ内容で、読んでいて理解しづらい所もありましたが、独特な村上春樹さんの世界観を感じることができました。
150ページほどの短めな小説だったので、ぜひ実際の書籍のほうもご覧になってみてください!
当サイトでは他にも村上春樹さんの「一人称単数」や「アルジャーノンに花束を」などネタバレしてますので是非ご覧ください!SNSもフォローお願いします!!