星の王子さま -著:サン=テグジュベリ 訳:河野万里子- ネタバレ感想1

2022/01/07

カテゴリー:小説

星の王子さま

概要

このページでは、「星の王子さま(le petit prince)」のネタバレ感想を紹介しています!

タイトルは聞いたことあるけど、中身は知らない、、、という方も多いのではないでしょうか。

この本はアメリカで出版されて以来、200各国以上の国で読まれているかなり有名な作品です。

タイトルだけ見ると子供向けの作品に見えますが、実は大人向けに書かれた作品となっています。

目次

星の王子さま

登場人物

・僕…飛行機の操縦中に砂漠に不時着したパイロット。そこで小さな男の子に会う。

・小さな男の子…ほかの星からやってきた王子さま。

・花…王子さまの星に生えている見栄っ張りの花。

・王様…王子さまが最初に訪れた星に住む王様。性格は良い。

・大物気取りの男…王子さまが2番目に訪れた星に住む男。

・酒浸りの男…王子さまが3番目に訪れた星に住む男。飲むことを恥じている。

・実業家…星の数を数え、紙切れにひたすら書いている男。

・点灯人…朝にガス灯に火をともし、夜に火を消している。

・おじいさん…地理学者で大きな本を書いている。

大蛇ボア

僕は6歳の時に、猛獣を飲み込もうとしている大蛇ボアの絵を見ます。僕は大蛇ボアの絵をかき、周りの大人に見せるとみんなそれが帽子に見えると言います。

大人たちにはいつだって説明が要るようでした。次にボアの中身が見えるような絵をかきなおしますが、大人たちは絵なんかじゃなくて地理や算数などをしなさいと言います。

僕はその時に画家の職業をあきらめてしまいました。その後、僕は飛行機の操縦を勉強し、パイロットになります。

そんな中有能な人と出会うたびに、自分のボアの絵を見せてみますが、みんな帽子だとしか答えません。僕は諦めてその人が好きそうなことの話をし、ご機嫌を取ります。

このようにして僕は6年前、飛行機が不時着するまで一人ぼっちで生きてきました。その時乗客はのせておらず、飲み水が一週間分あるだけでした。

砂漠のど真ん中に不時着した夜、「羊の絵をかいて」という小さな声で僕は起こされます。そこには小さな男の子がいたのでした。

小さな男の子

僕はボアの絵しか描けなかったので、その子にボアの絵描いて見せます。するとその子はボアに飲み込まれたゾウの絵はいらないと言います。

仕方なく羊の絵を何個か書きますが、もっと強そうな羊がいいだったりオスの羊はダメだったり、いろいろ注文を付けられます。

僕はエンジンを早く直したくて、木箱の絵をかきます。そしてその中に羊が入っているんだよと男の子に説明しました。

それを見た男の子は顔を明るくし、欲しかったのはこれだよ!と嬉しそうに言います。

小さな星

その王子さまはたくさん僕に質問をしますが、僕の質問にはあまり答えてくれませんでした。しかし王子さまはほかの星からやってきたようでした。

さらにその星は一つの家より少し大きいサイズであることも分かりました。不時着してから3日目までに、王子さまの話から僕は新しいことを知っていきます。

その日、王子さまは「羊は小さな木を食べるよね?」と尋ねてきます。僕がそうだと答えると王子さまは安心した様子です。

王子さまはさらにバオバブも食べる?と尋ねたので、どうしてバオバブを羊に食べてほしいのか僕も聞きます。

どうやら王子さまの星は種だらけで、バオバブのような大きな草は早く取り除かなければ根が星を貫通して星が破裂してしまうようでした。

王子さまは仕事にも先延ばしにしておいてもいいものとダメなものがあって、怠け者の住んでいた星ではバオバブが3本生えてしまったと言いました。

大事なこと

4日目の朝、王子さまは夕日を見に行こうと言いました。僕が夜まで待たなきゃと言いますが、王子さまは不思議そうです。

王子さまの星では少し椅子を動かすだけで、見たい時に夕日がみられるのでした。1日に44回夕日を見たこともあると嬉しそうに王子さまは言います。

5日目、王子さまは羊はとげのある花でも食べてしまうのかと尋ねます。僕が食べてしまうというと、何のためにとげはあるのかと聞いてきました。

僕はエンジンの修理で集中していたし、飲み水もなくなりかけていたので、適当にとげなんて何の役にも立たないと答えました。

大事なことで忙しいと僕が言うと、大人みたいな言い方だと王子さまは非難しました。王子さまは怒り、僕が大事なこともそうでないこともごちゃ混ぜに考えていると言います。

ある人がいくつもある星のうち、たった一つの花を愛していれば星を見るだけでその人は幸せになる。

もしその花が食べられてしまえば、その人にとって星がすべて消えてしまったようになってしまうのだ。と王子さまはいい、泣いてしまいます。

僕はそれを聞き、のどの渇きも死もどうでもよくなってしまいました。王子さまを抱きしめ、羊に口輪を付けてその花が食べられないようにしてあげると慰めました。

見栄を張る花

実は王子さまの星では、一枚の花びらをもつ花が咲いていました。ある日その花から芽が出てきたので王子さまはその花を見張るようになります。

小さな木まで成長すると、大きなつぼみを付けました。そこから何日もかけ日の出の時に花は姿を現し、王子さまに話しかけます。

王子さまは感動し、その花に水をあげます。それ以降、花は小さな見栄を張って王子さまを困らせるようになります。

夕方になったらガラスの蓋をかぶせてほしいだったり、すぐわかるような嘘をつき、王子さまは花の言葉を真に受けながら惨めな気持ちになるのでした。

王子さまは、言葉だけに目をやるのじゃなくて、してくれたことに目をやればよかったと僕に反省しています。花は王子さまの星をいい香りでいっぱいにしてくれ、明るくしてくれたのでした。

旅立ちの日

王子さまは星を出ていくことを決意します。旅立ちの前に自分の星の火山のすすを掃除し、生えてきたばかりのバオバブの芽を抜きます。

2度と戻ってくるつもりはありませんでしたが、いつもの朝の仕事が嫌に体にしみました。花にも水をやりガラスの蓋をかぶせるとき王子さまは泣きそうになり、花にさようならと言います。

花は王子さまに「私が悪かった、幸せになってね」と声を掛けます。王子さまは花に責められると思っていたので驚きます。

花はさっさと行くよう言います。花は泣くのを王子さまに見られたくなかったのでした。

王様の星

王子さまはいろいろな星を巡ります。最初の星には王様が住んでいて、玉座に座っていました。

王様はようやく上に立つ相手ができてうれしそうです。王様は自分の命令に従わないのが嫌いでしたが、性格は良かったのでできないような命令はしませんでした。

王子さまが座ってもよいですか?と尋ねると、王様は座るよう命じ、自分のコートをたぐりよせて座れるスペースを作ってくれました。

王子さまはこの星が小さすぎることに驚き、何を支配しているのだろうと不思議になり、王様に尋ねます。王様によると、私はこの世の全てを治めていると言います。

王子さまが夕日が見たいと王様にお願いすると、王様は人にはそれぞれその人ができることを求めなければいけないと答えました。夕陽を見たいのなら待つが良いと言います。

王子さまは飽きてしまってそろそろ旅立ちますと王様に言います。王様は上に立つ民ができて満足していたので行かせたくなくて、行くなと命じました。

それでも出発しようとすると、王様は急いで王子さまを大使に命じると言いました。王子さまは、大人って変わっているなと思いました。

大物気取りと酒浸り

2番目の星には大物気取りの男が住んでいました。その男は立派な帽子をかぶっていて、王子さまが拍手すると帽子を持ち上げてお辞儀をします。

初めのころは王子さまも楽しいと思いましたが、次第に飽きてきました。その男は自分を称賛してほしいと言います。王子さまがそんなことが面白いのかと聞きその星を後にします。

また、大人って変だと王子さまは思いました。

次の星には酒浸りの男が住んでいました。王子さまはどうして飲んでいるのか聞くと、その男は飲むことを恥ずかしくて、そのことを忘れたくて飲んでいると言います。

王子さまはどうしたらいいかわからずさっさとその星を去ります。ここでもやっぱりおとなってすごく変だと思いました。

実業家の星

4番目の星は実業家の星でした。彼は計算をしていて王子さまが来ても顔さえ上げません。彼は星の数を数えていました。

王子さまがどうして数えているのか尋ねると、彼は星の持ち主だからと答えます。星の持ち主だと金持ちでいられて、金持ちだとほかの星を買えると言います。

王子さまは、この人はあの酒浸りの男と同じような考え方をしているなと思いました。星は誰のものでもないので、最初に思い付いた私のものだと実業家の男は言いました。

星の数を紙に書いて、その紙を引き出しに入れて鍵をかけておけば十分だと得意げに彼は言います。

王子さまは自分の星では、火山のすすを取り、花に水をやっていたから星の役に立っていたが、実業家の男は星の役には立っていないと言いました。

実業家は何も言えませんでした。王子さまはやっぱり大人ってどうかしていると思いながら、その星を後にしました。

点灯人の星

次に訪れた星はどこよりも小さな星で、一本のガス灯とそれに火をつける点灯人がいました。王子さまはそれが何の役に立っているのか不思議でした。

それでもほかの星の人より役に立っていると思いました。火をつけて、消すことで星がもう一つ生まれるみたいだと王子さまは感動します。

王子さまは尊敬しながら彼に挨拶します。彼によると朝になるとガス灯に火をともし、夜になると火を消すことを繰り返している、ひどい仕事だと言います。

昔は昼休む時間があったが、星の自転が速くなり、休む暇がなくなってしまったと言います。それでも指示のほうは変わらなかったので、1分に1回自転するこの星では休めないそう。

王子さまは指示に忠実なこの人のことを好きになったのでこの人を助けたくなりました。王子さまはこの星は小さいのだから歩き続ければ休憩できるよと助言しました。

しかし、点灯人が一番好きなことは眠ることだったので、ついていないと言います。王子さまはあの人はどんな人にも見下されるけど、一番一生懸命な人だと思いました。

友達になれそうでしたが、あの星は小さすぎたので王子さまは諦めました。

はかない花

6番目に訪れた星は、前の星より10倍大きく、大きな本を書いているおじいさんが住んでいました。

彼は地理学者だったので、この星には何があるか王子さまは尋ねますが、わからないと言います。

彼によるとたまにやってくる探検家たちの話を書き留め、その話が合っているかどうか証拠を持ってこさせていると言います。

大きい山なら大きな岩を持ってきてもらうそう。王子さまは自分の星のことを話し、花のことも話しますが地理学者は花のことは書かないと言います。

彼は花ははかなく、ほどなく消えてしまうからだと説明すると、王子さまの胸に少し痛みが走りました。王子さまはこれからどこを尋ねたらいいか聞くと地球へ行くといいと言いました。

感想

僕は砂漠に不時着してから、小さな王子さまと出会いました。彼は星に花を残してきてそれが心配な様子です。

王様・大物気取り・酒浸りの男・実業家・点灯人・おじいさんと王子さまは出会い、彼らの多くに対してどうかしていると思いました。

酒浸りの男の「酒を飲むのが恥ずかしく、それを忘れたくて酒を飲んでいる」というのは、一見矛盾しているようで確かにわかるような気持ちがしました。

皆さんも自分に当てはまるような星はありましたでしょうか。本当に大切なものは何なんでしょう。次に王子さまは地球へ向かいます。

他にも小説のネタバレ感想は更新予定なので、是非SNSフォローしてお待ちください!

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