【ネタバレ感想】下剋上受験(げこくじょうじゅけん) 著:桜井信一(さくらい しんいち)
2022/04/06
カテゴリー:小説
概要
このページでは桜井信一さんの「下剋上受験」のネタバレ感想をしています!
何度も重版され、ドラマ化もされた有名な作品です。小5の2学期から勉強を始めて最難関の中学「桜蔭学園」への合格を目指すストーリーとなっています。
この話は実話で、著者の桜井信一さんの娘の佳織さんが実際に受験をした様子を本にしたものです。
目次
ストーリー
登場人物
・桜井信一(さくらいしんいち)…娘の佳織と共に桜蔭中学の合格を目指す。
・香夏子(かなこ)…信一の妻で、佳織の母親。中学受験に反対している。
・佳織(かおり)…信一と香夏子の娘。桜蔭学園合格を目指して勉強を始める。
桜蔭学園
桜井信一は15歳で社会人となり、妻の香夏子も中卒でした。2人は結婚し、後に娘の佳織が生まれます。
小学5年生になる娘の佳織に全国統一小学生テストの結果が帰ってきます。
佳織は小学校でのテストは80点以上あり、たまに100点を取って帰ってきていたので、信一は佳織が真ん中より順位が悪いことに驚きます。
妻は遺伝だと信一にいいます。
慎一はネットで調べたり塾に電話したりして、東京大学や早稲田大学に多く合格者を輩出している桜蔭学園という中高一貫校を見つけます。
さらに単に学力勝負で入学することができると知り、佳織にそのことを話します。
信一は佳織がやらなきゃいけないことを一緒にすると約束し、家で一緒に勉強をしようと言います。
受験勉強開始
信一はさっそく本屋さんへ行き、約4万円分の参考書を買います。他にも知り合った中学受験を経験した人から無料でテキストを貰うことができました。
その貰った参考書には親のメモ書きが入っていて、親の愛情を感じます。
信一は佳織との勉強に集中するため、友人たちにしばらく遊べないと決意を伝えます。
2人は算数の計算問題から始めますが半分以上間違い、時間もかなりオーバーしてしまいます。
その夜、佳織が寝てから信一は計算の速さを上げるためにどうするかを考えます。問題を解きまくるのではなく、数への接し方を勉強してから元に戻ろうということを決めました。
すると次第に制限時間15分の問題を約半分の時間で全問正解できるようになります。
睡眠不足
それから旅人算を理解するために、夏休みの宿題やすごろくを例にとり佳織は理解していきます。
信一は仕事との両立をするために知人の学生さんの福山さんに頼んで、すごろくの問題を作ってもらいます。
彼女は中学受験の経験があり、受験算数も覚えているそうで、問題にちょっとしたイラストもつけてくれました。
コピーの効率を上げるために大型コピー機をリースすることにします。リース料は月々2万4千円で妻は激怒します。
その出費のために深夜にポスティングのバイトをしてお金を稼ぎます。しかしすぐ挫折し、合計で4万円の稼ぎでした。
勉強時間は初めの頃23時までと決めていましたが、次第に伸びて深夜1時になってきます。
佳織は睡眠時間が6時間以下になってきて、学校ではいつも眠いと言います。信一も睡眠不足になってきます。
心療内科
算数の勉強も本格的になってきて、長時間の勉強に慣れてきます。
ただ、信一がようやく理解できて、佳織が理解できないときイライラして感情的になってしまうことが増えてきてしまいました。
それを直そうとしても治らず、信一は心療内科を訪問し薬を服用するようになりました。
国語は、佳織が間違えた漢字を信一が10回書くと決めると、佳織が10回書くよりも頑張ってくれて、次第に覚えてきます。
うつ病
受験勉強を開始したのが小5の2学期の始業式で、いよいよ春休みがやってきます。
3学期の終業式の日、佳織が持って帰ってきた通知表の成績はひどいものでした。妻はそれに激怒します。
佳織は小学6年生になり、理科や社会にも手を付けます。佳織は暗記が苦手なようでかなり苦戦します。
さらにストレスと寝不足で信一の体調が悪くなり、いつもの病院に行くとうつ病だと診断されます。
朝昼晩と大量の薬を飲みながら佳織との勉強を続けます。
学校を休ませる
算数の基礎的なことは終了し、演習に移ります。なかなか成績が上がらず、夏休みに突入します。
模試を受けますが、他の難関中でも合格は難しい結果となりました。寝るのが深夜1時2時になり、田舎に帰ることなく、信一の薬の量も増えます。
はじめて桜蔭学園の過去問を解きますが、算数は26点という結果になります。
毎日7時に起床し、夕食と入浴に1時間休憩する以外は勉強していました。
クリスマスも大晦日も勉強し、1月にようやく過去問を解き始めます。11月に解き始める予定だったので、大幅に遅れています。
信一は過去問の解答欄の形式が本番と違うことに気づき、手作りで解答用紙を制作し、寝る時間がほとんどなくなります。
1月に入り、手ごたえが出てきた頃、冬休みが終わり、信一は学校を休ませる決心をします。
もし落ちたら
過去問の点数は51点から伸びず、一度違う中学の過去問を解かせてみます。
すると、数日後にはあっさりと合格者最低点を超えてしまいます。信一は志望校を変えさせるか一晩中考えます。
佳織は他の学校のほうが点数が取れるので、桜蔭学園の過去問をやりたがらなくなります。学校休んで落ちたらみんなに笑われると泣き出してしまいます。
信一はもし落ちたらどこか遠くへ引っ越そうと提案し、何とか説得しました。
結末
1月21日無事桜蔭学園へ出願を済ませますが、佳織はモチベーションが上がらないようです。受験10日前にはじめて塾に入れるべきだったと信一は後悔します。
受験前夜、最後の勉強を終えた佳織は結構楽しかったと言います。
受験日、講堂で待機していた信一は配られた問題を見ます。国語は最難関の文章で、算数は佳織にも解けそうな問題がありました。
受験終わり、佳織は満足そうな顔をしています。その翌日、佳織は桜蔭学園を不合格になります。
佳織は必死に努力すれば必ずかなうという甘さに気づいたようです。現在他の有名中学に合格し、そこへ通っています。
まとめ感想
信一と佳織は共に努力し、桜蔭学園合格を目指しましたが、惜しくも不合格になってしまいます。
ただ、佳織は他の難関中学に合格することができ、勉強を続けているようです。自分自身中学受験の経験があったので、つるかめ算など懐かしい気持ちになりました。
諦めずに努力することは大切ですが、その努力の仕方を考えるのも大切なんだなと感じさせてくれた作品でした。
当サイトでは他にもビリギャルや、天気の子などのネタバレもしているので是非そちらもご覧ください!SNSもフォローお願いします‼