「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」
-著:坪田信貴（つぼた のぶたか）-ネタバレ感想後編

ストーリー

登場人物

・さやかちゃん…学年ビリのギャル。高2の夏から慶応大学を目指し始める。

・僕…名古屋の塾に勤める塾講師。さやかちゃんの指導を勤める。

・ああちゃん…さやかちゃんのお母さん。

・パパ…さやかちゃんのお父さん。複数の会社の経営者。

キャンパス見学

翌日、雨が降る中ああちゃんは車を東京へと走らせます。さやかちゃんは落ち込んでいて、行きの車内はずっと無言でした。

2人は慶応大学の二つのキャンパスを巡り記念撮影をして帰路につきます。ああちゃんはさやかちゃんに気を使って、明治大学にも車を向かわせます。

ああちゃんが明治大学でもいいんじゃないと言いますが、さやかちゃんは「やっぱり慶応がいい」と言います。その後さやかちゃんはすごい勢いで勉強を再開し始めました。

当時、さやかちゃんはストレス発散のためにいらなくなった皿を割ったり、部屋でまくらを投げたり暴れていたりしていました。

さやかちゃんのパパ

さやかちゃんのパパにとって、慶応大学は若い頃のあこがれの大学でした。それもあってかさやかちゃんが慶応大学へ行くというのをばかばかしく思っていました。

早稲田か慶応に合格したら学費は出すとさやかちゃんに約束します。しかしそれがプレッシャーになっていないか、パパは内心反省していたようです。

この時期、さやかちゃんの家ではパパがああちゃんや長男に怒鳴る声が響いていて、さやかちゃんは耳栓をして勉強をしていました。

僕はさやかちゃんからそんな話を聞いたりして、心のケアもしていました。

学校からの呼び出し

さやかちゃんは朝方まで勉強していたせいで、学校では本格的に爆睡をしていました。さやかちゃんのクラスは内部進学クラスで、学校的にも外の大学に行くのを良く思っていないようです。

そんな中ああちゃんが学校へと呼びだされてしまいます。学校の先生はちゃんと授業を聞くようにああちゃんに言いますが、さやかには寝る場所が学校しかないので許してほしいと3時間粘ります。

学校の先生は呆れながらなんとか認めてくれました。寝ているさやかちゃんに怒ってくる先生もいましたが、周りの友達がかばってくれました。

高3のお正月頃になり、パパのさやかちゃんへの態度が変わります。親戚の集まりの中ずっと勉強をしているさやかちゃんを見て、本当に真剣なんだとさやかちゃんを認めるようになりました。

家庭外でも周りの人に、本当に慶応大学に受かるかもしれないと嬉しそうに話していたと言います。

受験1か月前

受験まであと数か月まで差し迫り、模試の成績も偏差値が総合で60を超えるようになります。それが高3の12月でした。

さやかちゃんの見た目も高2の夏ごろとは大きく変わり、別人のようです。模試の成績では学校内で3位になるまで成長しています。

僕はあと1か月あれば完璧なのにと本音では思っていました。受験まで1か月となり、志望校を慶応大学に設定し、そのほかに上智大学・明治大学・関西学院を受験することに決めました。

最初の受験校である関西学院大学の会場では大雪が降っていて、急遽さやかちゃんのパパがスタッドレスを履いた車を用意してくれて、パパ自らが会場まで送ってくれました。

帰り道、こりゃ受かったと自慢げにさやかちゃんは言い、パパは笑います。

明治・上智大学

その後、さやかちゃんは明治大学と上智大学の受験に臨みます。東京のホテルに4日間滞在し、ああちゃんも一緒にいます。

その上智大学の英語の試験の傾向が大きく変わり、時間の無駄だと思いさやかちゃんは途中で寝てしまいました。その後、慶応大学があるからいいやとさやかちゃんは気持ちを切り替えます。

慶応大学の受験のためにああちゃんはホテルを取ろうとしますが、大学の近くのものが取れず、パパに頭を下げます。すると、パパは知り合いにお願いして、大学の近くのホテルを取ってくれました。

さやかちゃんのおかげで夫婦間の仲も良くなってきたのでした。

缶コーヒー

さやかちゃんが塾に来る最終日、僕は彼女に合格と書かれた缶コーヒーを渡します。試験前に飲むとさやかちゃんは約束し、これまでありがとうございますと何度も頭を下げました。

さやかちゃんは慶応大学の受験は1人で東京に泊まります。彼女はやることはやったしとリラックスできていました。入試は4学部を受験するため、計4日間受験日がありました。

最初に受けた経済学部と商学部の試験は、理系の分野も少し混ざっていたので受かったらラッキー程度で受験しました。その後、本命の文学部の試験に臨みます。

過去の問題を解いた感じ合格するならこの文学部しかないと考えていました。さやかちゃんは試験前に缶コーヒーを飲みます。

不運なことに、緊張の中コーヒーを飲んだせいか、さやかちゃんはお腹を下して、試験中何度もトイレに行ったり、試験に集中できませんでした。

過去問を解いた感じ、いつも9割程度とれていたにもかかわらず、満足に解答を書けずに試験が終わってしまいました。

小論文のテスト

その後、最後の試験である総合政策学部の試験に臨みます。試験の中には小論文があり、これまで良い点数が取れたことはありませんでした。

さやかちゃんは事前の過去問で受かるわけないと思っていたので、逆にリラックスしていました。最初の英語のテストは簡単で、順調に解くことができました。

そして、さやかちゃんの苦手な小論文のテストが始まります。試験内容は長い文章を読んで、それを要約し、それに対して自分の考えを書くという形式でした。

問題文を読んだとき、彼女は以前僕と話していた、物事を多面的に見る重要性という話が使えるなと気づきます。そしてうまく文章を作ることができたのでした。

受かったのではないかと内心彼女は思いますが、何が起こるかわからないとみんなに内緒にしておきました。

受験結果

受験の結果が最初に出たのは関西学院大学で、無事合格することができます。その後、明治大学にも合格することができました。

しかし、英語の傾向が大きく変わった上智大学には落ちてしまいます。

さやかちゃんは慶応大学の文学部の結果があまりよくなくて、総合政策学部が意外にも良くできたことを誰にも話していませんでした。

結果、慶応大学経済学部・商学部、そして文学部に落ちてしまいます。そのことをさやかちゃんは僕に報告しますが、まだ総合政策学部があるから待ってみようと声を掛けました。

加えて、入学金を支払う期限が迫っていて、さやかちゃんのパパが黙って関西学院大学の入学金を支払ってくれました。

結末

最後の慶応大学総合政策学部の結果発表の日、さやかちゃんがパソコンで結果を見てみると、結果は合格でした。

パパやああちゃん、おばあちゃんは抱き合って喜んでくれました。

さやかちゃんは僕に電話を掛けます。僕は内心さやかちゃんにはこの学部の合格は無理だと思っていたので、電話に出るのが嫌でしたが、出てみると意外な結果に驚きます。

パパやああちゃんは塾に来て、ぼくにお礼の言葉をかけました。今ではパパは以前のパパと違っていて、夫婦仲も良好になったと言います。

さやかちゃんは東京に住んで大学に通っていますが、今でも塾に帰ってきて、近況を報告してくれるようです。

感想

以上となります!!さやかちゃんは努力の結果、慶応大学に合格することができました。

色々なトラブルがあってとても波乱な結末でしたね。最後のほうはあっという間に結末まで読むことができました。

ぜひこれから受験を迎える方も、すでに受験を終え、社会人や大学生になっているかたも読んでみてください!

書籍の中には、坪田さんが実際に指導に取り入れていたテクニックなども紹介されているので、とても面白いと思います!

他にも小説のネタバレ感想は更新予定なので、是非SNSフォローしてお待ちください!

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